こんにちは、Bianca鍼灸サロンです。
ここ2〜3年、耳鳴りや、それを伴う症状で来院される患者様が増えた気がします。
原因としては、コロナによる環境の変化でのストレス、おうち時間が長くなり、
イヤホンやヘッドホンを長時間使用することによる耳への負担などが考えられます。
ですが、人によって原因は様々ですし、耳鳴りの音もピーだったり、キーンだったり色々あります。
今回は耳鳴りの原因と違い、対策方法についてお伝えしていきたいと思います。
耳鳴りの原因について分かる
耳鳴りの音の違いが分かる
耳鳴りの対策とセルフケア
耳鳴りとは
耳鳴りとは、耳の中で発生している雑音です。
耳鳴りは症状であり、それ自体が病気という訳ではありません。
50歳前後からよくみられ、程度の差はありますが、10~15%の人が経験します。
耳鳴りがある人は、難聴を伴っていることが多いです。
難聴は、左側の片耳で起こることが多く、
耳鳴りの音には、ピー、キーン、ザー、ブーンなどがあります。
これらの音は静かな場所で、特に何かに集中しているわけではないときに聞こえやすくなります。
そのため、睡眠を取ろうとする際に最も障害になる傾向があります。
しかし、耳鳴りをどう感じるかには大きな個人差があります。
その症状にひどく悩まされる人もいれば、十分耐えられると感じる人もいます。
大きく分けて耳鳴りのタイプは2種類あります。
耳鳴りの種類
耳鳴りは大きく分けて、自覚的耳鳴りと他覚的耳鳴りに分けられます。
自覚的耳鳴
これは圧倒的によくみられるタイプです。
音の処理を担う脳の部位(聴覚皮質)の異常な活動によって引き起こされます。
この異常な活動がどのように起こるのかは、完全には解明されていません。
他覚的耳鳴
かなりまれなタイプです。これは、耳の近くの構造から出る実際の雑音のことです。
注意して聴けば、本人以外の人でも他覚的耳鳴の音を聴き取ることができます。
耳鳴りの原因
耳鳴りの原因の大半は耳そのものに原因があるのではなく、
耳を支配している神経系に障害があることがほとんどです。
外部から内耳に伝わる音の情報は、電気信号に変換され脳に伝達される感音性の経路があります。
その際に感音系の経路の一部に何らかのトラブルが発生すると耳鳴りの原因になります。
耳鳴りの主な原因は大きく分けて6つあります
①外傷
交通事故などの外的要因が原因で発生する耳鳴りです。
頭頚部や鼓膜、耳小骨など音の経路が障害されることで耳鳴りが発生します。
また、外傷の種類の1つとして、騒音などの音響外傷があり、
これは、大きな音を聞いた後に難聴や耳鳴りが発生する外傷の一つです。
②中耳炎
中耳炎は耳の内側にある中耳に細菌などが原因で炎症を起こす病気です。
そのまま放置しておくことで鼓膜に穴が開いたり、中耳に液体が溜まることで耳鳴りが発生します。
③加齢性難聴
加齢性難聴(老人性難聴)は加齢が原因で聴力低下が進行する病気です。
感音性の経路にある内耳や、聴神経などが老化することで耳鳴りが発生します。
④薬剤性難聴
薬剤性難聴は薬の副作用が原因で聴力低下や耳鳴りが発生する病気です。
⑤生活習慣病
高血圧や糖尿病など生活習慣病が原因で耳鳴りが発生する場合があります。
特に糖尿病の場合、血流障害が原因で耳鳴りや難聴が発生します。
糖尿病を患うと、聴覚障害のリスクが約3倍に跳ね上がるそうです。
⑥精神的な負担
ストレスや疲労が原因で難聴や耳鳴りが発生する場合があります。
具体的な症状としては、メニエール病や突発性難聴などが挙げられます。
音で分かる耳鳴りの原因
ここからは、耳鳴りの音別の原因について書いていきたいと思います。
高い音(ピー、キーンなど)
ピーやキーンなどの高音の耳鳴りは、主に内耳に関連した耳鳴りです。
内耳系の神経や細胞が障害を受けることで脳に伝わる音の情報が減少します。
身体は音の情報を補うために、脳が別の音を鳴らしてしまい、結果として耳鳴りの原因となります。
高い音の原因となる病気は以下の通りです。
- 老人性難聴
- 騒音性難聴
低い音(ザー、ゴー、ジーなど)
低音域の耳鳴りは、主に中耳に関連した耳鳴りが多いです。
鼓膜周囲のトラブルが原因で中耳腔の圧が安定せず、低音域の耳鳴りが発生します。
低い音の原因となる病気は以下の通りです。
- 急性中耳炎
- 滲出性中耳炎
- 耳硬化症
低い音の耳鳴りの場合、耳に何らかの炎症や、問題が発生している可能性があるので、
一度病院で検査することをおすすめします。
耳鳴りの治療方法
TRT療法
この治療法は、耳鳴りに順応することを目標とした治療方法です。
補聴器に似た形のTCI(耳鳴り制御機器)を使用し、耳鳴りが少し聞こえるくらいの大きさに調整します。
常に装着することはなく、毎日決まった時間に装着することで、徐々に耳鳴りに順応することができます。
ブロック療法
ブロック療法は興奮した神経に対し局所麻酔薬を注射することで興奮が緩和する治療です。
頸部周囲の筋肉が緊張し内耳への血流障害が原因の耳鳴りに一定の効果があります。
一般的には、首の前を通る星状神経節という神経をブロックします。
薬物療法
耳鳴りの原因に応じて薬物療法を行います。
薬物療法の目的としては、内耳機能の改善、精神安定の促進が主になっております。
鍼灸治療
私たちが思うに鍼灸治療が1番即効性や変化を実感することができるのではないかと思います。
病院では、西洋医学的な治療が主ですが、私たちが行う鍼灸治療では西洋医学だけでなく、
東洋医学的な観点からも耳鳴りを評価し、根本的なアプローチをすることが可能です。
Biancaでの治療方法
患者様:Sさん 40代 女性(仮名)
症状:耳鳴り、難聴
お悩み
一年前から耳鳴りがする。そこまで気にならなかったが放っておいたら左耳だけ聞こえずらくなった。
病院からはお薬を出されたが、特に変化はない。
ブロック療法も勧められたが、根本的に治るわけではないのでやっていない。
治療方法
この患者様の場合、耳鳴りや難聴の他に肩こりや頭部のむくみなどもあり、全体的に頭回りの循環が悪い状態でした。
さらに、難聴や肩こりの症状は全て左側に出ていました。
自律神経の乱れによる症状は主に左側に出るのが特徴です。
なので、施術としては全身の歪み、滞っている部分を取り除き、耳周り、頭回りの循環を良くしていくのと、
自律神経の調節を主に行いました。
- 耳だけでなく全身を診て、原因となっている部分を鍼や手技を用いて緩める
- 難聴の原因になっている自律神経の乱れを鍼を用いてアプローチ
- 歪みを取り除くための矯正施術
どれくらいで効果がでるか
人によって個人差はありますが、2週間に1度、月に2回ペースでご来院されている患者様ですと
比較的早く効果を実感していただいております。
ご自宅でできるセルフケア
生活習慣の改善
生活習慣の乱れや糖尿病が原因で耳鳴りが生じる場合があります。
生活習慣が乱れると精神的なストレスがたまり、自律神経が乱れる原因になります。
また、身体的な影響として血流障害が発生し、耳鳴りや頭痛などの原因になります。
血流改善のために、バランスのよい食事や適度な運動を心がけましょう
また、適度な睡眠や普段からリラックスする時間を設け、自律神経を安定させましょう。
○マッサージを行う
耳周りや耳を司る神経が酸素不足になって起こる耳鳴りは、
耳の外側からマッサージをして刺激することで、耳周りや脳の血流が良くなり
血行不良が改善され、収まりやすくなります。
お耳マッサージ
1.耳たぶを親指と人差し指で挟み、優しく揉みほぐす。
2.1を耳たぶ、耳の真ん中、耳の上部で深呼吸をしながら、心地よいと感じるまで行って下さい。
3.耳の穴に人差し指を奥まで差し込み、ポンと人差し指を抜く。両耳一緒に行う。
○リラックスできる音楽を聴く
耳鳴りの原因が、「自律神経の乱れ」から起こることが多いと指摘されていることから、
最近ではリラックス効果のある音や、そのような音楽を集めたCDなどが販売されています。
自律神経を整えるために効果的な音は「1/fのゆらぎ」という
小川のせせらぎの音や、小鳥のさえずりなどが知られています。
○漢方薬、サプリを服用する
自律神経の乱れによる耳鳴りの予防法では、神経を整えるビタミンB12に効果があります。
また、疲れによる耳鳴りの予防法では、疲労回復のビタミンB1、B6も有効です。
漢方薬も耳鳴りの予防として有効です。
耳鳴りは「耳の水分調節」がうまくいかないことも原因となります。
そこで、体内の水分を調節する以下のような漢方薬に効果が期待できます。
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
終わりに
いかがだったでしょうか
耳鳴りを根本的に治すのであれば、原因を追求し、改善していかなければなりません。
Bianca鍼灸サロンでは、患者様の症状に合ったオーダーメイド施術を提供しております。
耳鳴り、又はその他の症状でお悩みの方は、お気軽にご連絡ください。