頸肩腕症候群と診断された、疑いのある方へ
こんにちは。Bianca鍼灸サロン目黒本院の武田です。
今回は『頸肩腕症候群』について記事を書きました。
- 頸肩腕症候群はどんな疾患?
- 頸肩腕症候群の原因と症状
- 頸肩腕症候群と診断された方の治療方法
- セルフケア、予防トレーニング
Biancaブログでは患者様が気になっていることをブログにしております。
他にもこんなことも知りたいなどあれば、お問い合わせください。
皆様、最後までお付き合いいただければ幸いです。
頸肩腕症候群とは?
ひどい肩こりとして泣くなく受け入れている方が多い疾患です。
名前の通り、首 (頸部)から肩・腕・手先・背中などに痛みや痺れを訴える全ての症例の中で、整形外科的疾患(変形性頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、胸郭出口症候群など)を除外した、検査などでは原因が確定できないものを頸肩腕症候群と呼びます。
骨自体が変形してしまい、神経を圧迫しているということではないので、鍼灸とマッサージで全身を整えることで、改善される可能性の高い疾患です。
頸椎や肩関節周辺のトラブルが基になっていることが多く、鍼灸マッサージによる改善の期待値はかなり高いと言えます。
また、腕の痛みに多い腱鞘炎については、主に肘から先に問題があるとされていて、頸肩腕症候群には含まれません。
腱鞘炎については別記事にまとめてありますので、そちらをご覧ください。
変形性頸椎症や、頸椎ヘルニアなど症状が深刻である場合は、手術が必要となるケースもあります。
ひどい肩こりに悩まれている方は整形外科を受診し、整形外科的な問題がないか調べることも検討してください。
頸肩腕症候群の原因と症状
筋肉と頸椎の2つ原因
筋肉の問題による要因
筋筋膜性疼痛症と呼ばれるもので、筋肉と筋肉を包み連結している筋膜が収縮したり、硬くなることで痛みが生じます。長時間のデスクワークなど、同じ姿勢で固まっていたり、前屈みの姿勢も筋肉・筋膜の緊張を強めるので、筋筋膜性疼痛症を引き起こす要因となります。
頸椎の問題による要因
椎間関節痛や変形性頸椎症、椎間板ヘルニア、頸部脊椎間狭窄症などが考えられます。
頸椎には8対の椎間関節があり、そこから神経が枝分かれしています。炎症や筋肉のコリによって頸椎に負担がかかると痛みが生じます。レントゲンなどで変形はなくとも、関節の動きが悪い場合も痛みを引き起こす要因となります。
どんな症状?
頸肩腕症候群は上記の要因によって神経や血管が圧迫され、だるさや疲労感といった初期症状からはじまり、進行具合によって肩こりや痺れ、痛みが起こります。
どこで何が原因となっているかで症状の出方は変わりますが、動かすと痛い人もいれば、じっとしていても常に痛む人、痛む場所が腫れてくるなど様々です。
男性よりも女性に多い傾向にあり、デスクワークなどお仕事で長時間の頸椎への負担が要因であるとされています。
また、男性と比べて頭の重さを支えるための筋肉量が少ないことも要因と考えられています。
頸肩腕症候群かも?セルフチェック
セルフチェック
- 首肩周りの脱力感がある
- 腕が重く感じる
- 手、指のしびれがある
- 指先が冷える
- 肩こりがつよい
- 痛みや脱力感でものが描きにくい
- 動かすと痛みがでる
- じっとしていると痛みがでる
- 睡眠の質が低下していると感じる
- 食欲が低下している
- 呼吸が浅く息苦しい
- ストレスを感じる
複数当てはまる方は、頸肩腕症候群の疑いがありますので早めのケアをお勧めします。
寝れば治る、しばらく我慢すれば痛みが落ち着くなどは、頸肩腕症候群が進行する恐れがあります。
セルフチェックはあくまで参考にし、専門家に診てもらうと良いでしょう。
頸肩腕症候群と診断された場合の治療方法
頸肩腕症候群と診断された場合、上述したように整形外科的疾患ではなく原因が定かではないということになります。
要するに「原因はよくわからないけど、神経や血の巡りが悪くなっているから痛み止めと湿布を処方するのでしばらく様子を見てね。」ということになってしまいます。それで頸肩腕症候群が改善されるということにはなりません。
また、整骨院では患部に対して電気を流し徒手治療を行うことが多いですが、患部のみのアプローチで終了してしまうことがほとんどです。
レントゲンでは異常がないのになぜ症状が出る?
一般的には許容範囲とされている歪みがあるかもしれませんし、内臓の不調によって筋肉が拘縮し頸椎に負担をかけているかもしれません。頸椎周辺も含め、全身の状態を確認する必要があります。
鍼灸治療では、患部はもちろんのこと、関連部位や疑いのある部位まで範囲を広げて治療するので一時凌ぎではなく、より早く完治に近づけるのでは考えられます。
整形外科を受診しておらず、改善や変化が見られない場合や理学検査で整形外科的疾患の疑いがある場合は病院の受診を促すこともあります。
頸肩腕症候群のセルフケア
姿勢を正して頸椎の負担を軽減する。
頭の重さを支える頸椎や筋肉に負担がかからないように心がけましょう。
ストレートネックの方も症状が出やすい傾向にあります。
冷房など姿勢を正して頸椎の負担を軽減する。
長時間同じ姿勢でいることで固まるだけでなく、冷房や寒さの影響で首肩周りに力が入ってしまうことがあります。
室内でも薄手のスカーフを巻くなどして対処しましょう。
リハビリも兼ねて程よく体を動かし血流を促す。
頸椎だけでなく、全身を連動させることを心がけて適度な運動を行いましょう。
循環が促され、冷えや痺れが緩和することもあります。
Biancaでの頸肩腕症候群に対する治療内容、症例
Biancaに実際通院されている患者様の症例と治療内容を一部紹介します。
33歳女性、小柄で線が細くなで肩、巻き肩。
デスクワーク中心の管理職。
学生時代から肩こり、頭痛があった。
部活で体を動かしていたが、就職と同時に運動習慣がなくなった。
リモートワークが始まり、動く機会がより減ってきたころに痺れ・手先の冷えを感じるようになった。
頸椎・肩関節の可動域は正常。
動作時に疼痛の変化なし。
脊柱に沿って筋肉がガチガチに固まっていて呼吸が浅い
生理周期は正常だが、痛みや出血量が多い。
腹部の張りも強い。
腹部の影響で胸筋も引っ張れていて、姿勢が悪い。
指先の冷え、痺れの部位から考えられる問題のある頸椎に鍼
脊柱の柔軟性が高まるように首〜腰にかけて筋肉を緩めるように鍼
全身の緊張を緩め、リラックスできるように全身をマッサージ
骨盤内の血流を促し、腹部の張りが緩和するように鍼+マッサージ
頸椎に関連する脊柱の歪み部分を矯正
上記の治療で、10→4まで症状緩和
2週間隔で3ヶ月(計6回)の治療で10→1の違和感程度まで改善
以降、定期ケアの鍼灸治療と並行しピラティスを行うようになり、現在再発なし
頸肩腕症候群の予防・トレーニング
頭頸部の筋力トレーニング
- 頭と肩の高さが同じくらいになるように枕またはタオルを引いて仰向けに寝ます。
- あごを引いた状態(首の後ろが伸びている状態)で頭全体をグーっと沈めるように力を入れます。
この時、噛み締めたり、余計な力が入らないように注意してください。
10秒間10回1日2~3セットを目安に行いましょう。
頭頸部のリラックス運動
- 頭と肩の高さが同じくらいになるように枕またはタオルを引いて仰向けに寝ます。
- あごを引いた状態でリラックスしながらゆっくりと左右に動かします。
慣れてきたら徐々に大きく動かしてみましょう。
トレーニングや運動は無理せず、痛みや違和感が強い場合は避けましょう。
まとめ
ここまで、読んで頂きありがとうございます。
頸肩腕症候群と診断された方や疑いのある方は、ひどい肩こりとして諦めてしまう方が多いのが現状です。
痛み止め湿布、整骨院で電気を流したり、様々な治療方法を試された方でもなかなか完治するに至っていません。
鍼灸治療では、直接的な患部の治療だけでなく、関連する部位や疑いのある部位を同時にケアすることが可能です。
病院では「原因がよくわからない」というケースでもお身体全体を整えることで改善に導くことができますので、
頸肩腕症候群と診断された方や疑いがある方、痛みや痺れでお悩みの方は是非Biancaにご相談ください。
今後もBianca鍼灸サロンは患者様に感動を与えられる治療を提供し、多くの方に鍼灸の良さを知ってもらい、
幸せの循環を生むことを目的として、大切に施術させて頂きます。