無意識に体に力が入っていることはありませんか?
「首や肩がガチガチ」
「しっかり寝たはずなのに疲れが取れない」
「いつも体が重だるい」
こうした悩みの裏には自分でも気づかない「無意識の緊張」が隠れているかもしれません。
一見ただの疲れに思える症状も、実は「自律神経の働き」が大きく関係しています。
こんにちは。Bianca鍼灸サロンです。
今回は『自律神経』について記事を書きました。
- 自律神経について
- 自律神経を整えるセルフケアの方法
- 鍼灸施術で自律神経を整えることができるのか?
Biancaブログでは患者様が気になっていることをブログにしております。
他にも「こんなことが知りたい!」ということがありましたら、お問い合わせください。
皆様、最後までお付き合いいただければ幸いです。
自律神経と緊張状態の関係

自律神経とは
自律神経は、自分の意思とは関係なく、「無意識に」体の機能を調整する神経です。心拍・呼吸・血圧・消化・体温などを24時間コントロールしています。
| 種類 | 状態 | 働き | 体の反応 |
| 交感神経 | 活動モード (戦う・逃げる) | 心拍数・血圧↑ 筋緊張↑ | 緊張 覚醒 集中 |
| 副交感神経 | 休息モード (休む・回復する) | 心拍数・血圧↓ 消化促進 | リラックス 睡眠 回復 |
本来、この2つはシーソーのようにバランスを取り合っています。
しかし、過剰なストレスや不安が続くと交感神経が優位になりすぎ、心身が「緊張しっぱなし」の状態になってしまいます。

緊張状態が起こる仕組み
不安やストレスを感知した脳(扁桃体)が「緊急事態!」の信号を送ります。
指令を受けた交感神経からアドレナリンが分泌され、筋肉が硬直し、呼吸が浅くなります。
危険から身を守るための本能的な反射です。試験や面接での動悸や手汗は、体が戦う準備をしている証拠です。
適度な緊張は「味方」にもなる
緊張は決して悪者ではありません。適度なストレス(ユーストレス)は、集中力や判断力を高め、パフォーマンスを向上させてくれます。
| 身体の反応 | 変化 | メリット |
| 心拍数・血圧上昇 | 血流が増え、酸素や栄養が全身に供給されやすい | 集中力・反射神経が高まる |
| アドレナリン分泌 | 瞬時に体を動かす準備を整える | 判断力・行動力がアップ |
| コルチゾール分泌 | 一時的にエネルギー供給を増やす | 頭が冴え、タスク処理能力が向上する |
| 脳内ドーパミン増加 | やる気スイッチが入る | モチベーション上昇 |
緊張状態とは

緊張状態とは、心身が常に「戦闘モード」で固定されてしまった状態です。
このとき、体は知らず知らずのうちに力が入り、呼吸も浅くなりやすいです。
交感神経が常にオンになっていると、副交感神経が働きにくくなり、回復しにくい身体になってしまいます。
主な症状
身体症状:首肩こり・頭痛・動悸・胃腸不良
精神症状:不安感・集中力低下・イライラ・不眠
慢性的影響:自律神経失調症・過敏性腸症候群・うつ症状
こうした症状が続く場合、自律神経のバランスが乱れている場合があります。
緊張に関わる筋肉の種類
筋肉は大きく分けて骨格筋・平滑筋・心筋の3種類がありますが、
無意識の体の力みや肩こりなどは主に「骨格筋」が関与します。
| 筋肉の種類 | 役割 | 緊張状態での変化 | 当該部位 |
| 骨格筋 | 姿勢維持・運動 | 無意識に収縮し、肩・首・背中の凝り、あごの緊張が起きやすい | 僧帽筋・広背筋・咬筋・側頭筋 |
| 平滑筋 | 内臓や血管を動かす | ストレス時は交感神経が働き、血管が収縮、胃腸の働きが低下する | 胃腸・血管 |
| 心筋 | 心臓の拍動を担う | 緊張で交感神経が優位になると、心拍数が上昇 | 心臓 |
特に、首・肩・腰・あご周りの筋肉はストレスに敏感で、慢性的な力みを引き起こしやすいです。
緊張に関わる神経系の種類
緊張状態では、「自律神経」と「体性神経」の両方が関与します。
自律神経系
意識せずに働く神経で、交感神経と副交感神経に分かれます。

▼交感神経(活動・緊張モード)
ストレスを感じると活発に働きます。
筋肉を硬直させ、呼吸を浅くし、血圧や心拍数を上げます。
緊張状態では、交感神経が優位になります。
(体が「戦闘モード」になり、筋肉が硬くなります)

▼副交感神経(休息・リラックスモード)
体をリラックスさせ、筋肉を緩め、内臓の働かせます。
過覚醒とは…
- 過覚醒状態とは、脳と自律神経の交感神経が過剰に高ぶった状態です。
- ストレスが続くと、脳がリラックスの仕方を忘れ、常に警戒態勢をとる「過覚醒」に陥ります。これにより、寝ている間も歯を食いしばるなどの反射的な力みが生まれます。
体性神経系
骨格筋を動かす神経で、意識的な動きだけでなく、反射的な力みにも関与します。
例えば…
ストレスで肩をすくめる。
歯を食いしばる。
などは体性神経を介した反応です。
無意識に続くと、筋肉が過緊張して痛みを引き起こします。
脳の関与
緊張状態では、脳の一部である扁桃体と視床下部が関与します。

▼扁桃体
危険やストレスを感知する「警報装置」です。
※過敏になると、常に交感神経が優位になり、体がリラックスできない状態になります。
▼視床下部
扁桃体からの信号を受け取り、自律神経を調整します。
緊張の種類
緊張にもいくつか種類があります。
| 緊張の種類 | 原因 | 主に関与する神経・筋肉 | 症状の特徴 |
| 急性緊張 | 試験・面接など一時的なストレス | 交感神経優位・骨格筋緊張 | 動悸・手汗・呼吸が浅い |
| 慢性緊張 | 長期的ストレス・不安 | 交感神経優位・骨格筋緊張 | 首・肩こり・頭痛・疲労感 |
| 過覚醒 | 不安症・心的外傷後ストレス障害(PTSD)など | 扁桃体過敏・交感神経優位 | 常に警戒・眠れない・体の硬直 |
| 筋緊張型頭痛 | 筋肉の過緊張 | 後頭部~首・背中の筋肉 | 後頭部やこめかみ付近の締め付け感・眼精疲労 |
ストレスホルモンの過剰分泌
緊張が長引くとストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌されます。
コルチゾールの過剰分泌リスク
- 免疫力の低下:風邪・感染症にかかりやすくなる
- 脂肪の蓄積:内臓脂肪が増えやすい
- 女性ホルモンの乱れ:生理不順・PMS悪化
- 睡眠の質が低下:慢性疲労につながる
適度な緊張は「パフォーマンス向上」に役立ちます。
今日からできるセルフケア方法

緊張状態では交感神経が優位になっているため、副交感神経を働かせてリラックスすることが必要です。
呼吸法
呼吸は自律神経に直接働きかける、最も手軽で効果的な方法です。
- 吐く時間を長めにすると副交感神経が優位になり、体の力が抜けやすくなります。
漸進的筋弛緩法(PMR)
緊張状態では、無意識に筋肉を固めてしまうため、意識的に緩めることが大切です。
- 「一度思い切り力を入れ、一気に抜く」をことで、筋肉と脳に「リラックスしていい」と学習させます。
首・肩周りのストレッチ
僧帽筋・肩甲挙筋・胸鎖乳突筋などの肩周りの筋肉は、ストレスに反応しやすいため、意識的にほぐします。
- 首を左右にゆっくり傾けて10秒キープして首の筋肉を伸ばす
- 肩を大きく後ろに回す
- 両手を頭の後ろで組んで胸を開く
- デスクワークの合間やスマホ使用後に1~2分で行えます。
セルフマッサージやツボ押し
指圧やマッサージも、自律神経のバランスを整えるのに効果的です。
頭には多くのツボがあり、自分でもマッサージがしやすいのでおすすめです。
おすすめのツボ

▼照海(しょうかい)
場所:内くるぶしの真下のくぼみ
効果:副交感神経を優位にし、ストレスホルモン抑制に働く

▼足三里(あしさんり)
場所:膝のお皿の外側から下に指4本分のところ
効果:内臓機能の調整や疲労回復、

▼百会(ひゃくえ)
場所:頭頂部
効果:交感神経の過緊張を抑えて自律神経の調整、不眠などの睡眠障害
- ぐりぐり押さず、痛気持ちいいぐらいの強さでゆっくり押します。
体を温める
体を温めることで副交感神経が働き、全身がリラックスしやすくなります。
- ぬるめのお風呂(38~40°C)に10~15分
- 蒸しタオルで首や目元を温める
- 足湯で血流を促進
- 暑すぎるお湯は交感神経を刺激してしまうので注意しましょう。
緊張しにくい身体づくり

- 睡眠リズムを整える
-
就寝・起床時間を一定にすることで、自律神経をリセットできます。
寝る前のスマホ・PCは控えて、脳を「夜モード」に切り替えます。 - 適度な運動
-
ウォーキング・ヨガ・ストレッチは副交感神経を優位にします。
※激しい運動は、交感神経を刺激するので注意しましょう。 - 食事
-
腸と脳は繋がっていて、腸内環境が乱れると、ストレス耐性が低下すると言われています。
発酵食品(納豆・ヨーグルト・味噌など)で腸内環境を整えましょう。
※カフェイン・アルコールの摂りすぎは交感神経を刺激するので控えめにしましょう。
東洋医学から見た緊張

東洋医学では、気・血・津液(体液)と五臓(肝・心・脾・肺・腎)のアンバランスとして捉えます。
肝気鬱血(かんきうっけつ)
ストレスで気が滞り、心身がリラックスできないタイプです。
肝は「気の流れ(疎泄)」をコントロールします。
ストレスや緊張が続くと肝の働きが停滞し、気が滞り、筋肉のこわばりや情緒不安定につながります。
▼主な症状
- イライラしやすい
- ため息が多い
- 首・肩こり
- 喉の詰まり感
- 生理不順やPMS悪化
肝陽上亢(かんようじょうこう)
肝のエネルギー(肝陽)が上に昇りすぎて、頭部に熱がこもるタイプです。
緊張が強まると肝の気が過剰に上昇し、頭部に熱がこもり、「過覚醒」と同じような症状が出やすくなります。
▼主な症状
- 顔が赤くなりやすい
- 動悸・不眠
- 頭痛・めまい
- イライラ・短気
- 肩から首にかけての強い張り感
心脾両虚(しんぴりょうきょ)
緊張やストレスでエネルギー(気血)が不足し、心と脾(消化器系)の両方が弱っているタイプです。
精神的な疲労と胃腸の不調が両方現れることが多いです。
過度なストレスで消化吸収機能が低下し、気と血が不足すると、脳や心への栄養が不足します。
すると、精神的にも胃腸の調子も過敏で不安定な状態になりやすいです。
▼主な症状
- 疲れやすい・やる気が出ない
- 緊張するとすぐお腹を壊す
- 不眠や眠りが浅い
- 集中力が続かない
- 顔色が悪い
心腎不交(しんじんふこう)
心(精神活動)と腎(水分代謝・精力)とのバランスが崩れているタイプです。
緊張しやすく、夜間の過覚醒、不眠、焦燥感が強い人に多いです。
腎の「水」が不足すると、心の「火」を冷やせず、精神的な高ぶり(過覚醒)が続きます
特に更年期の女性に多く見られる傾向です。
▼主な症状
- 眠りが浅い・途中覚醒が多い
- 不安感・焦燥感が強い
- 動悸・のぼせ・ほてり
- 腰や膝のだるさ
痰湿阻滞(たんしつそたい)
緊張状態が続き、気血の巡りが滞って「痰湿(老廃物)」が体内に溜まっているタイプです。
体がだるい人や、呼吸が浅い人に多いです。
代謝が低下し、不要な水分や老廃物が体内に滞留すると、血流が悪化し、酸素不足でさらに緊張しやすくなる悪循環になってしまいます。
▼主な症状
- 頭が重い・体がだるい
- 胸の圧迫感・喉の違和感
- むくみやすい
- 集中力が続かない
緊張状態の方への鍼灸アプローチ

東洋医学では、単に「緊張をほぐす」だけでなく、自律神経のバランスを整え、気血の巡りを改善し、体を「リラックスしやすい状態」に導くことを目的とします。
筋肉・血流へのアプローチ
無意識に力が入ってしまう方は、筋肉が過緊張しているため、筋肉のケアが必要です。
筋肉を柔らかくして、「体に力が入っていない状態」を体に教えます。
自律神経へのアプローチ
身体は交感神経と副交感神経のバランスが崩れると不調が現れます。
無意識に力が入っている方は交感神経が過剰反応しているため、交感神経の反応を抑えて、副交感神経を優位にしてリラックスを促します。
他にも気血の巡りを整えて、全身に栄養素を運んであげたり五臓(肝・心・脾・肺・腎)の働きを調整します。
ツボへのアプローチ
症状に合わせてツボを選び、全身の巡りに働きかけることで、心と身体のバランスを根本から整える力があります。
特に自律神経系に働きかけることで、交感神経と副交感神経のスイッチをうまく切り替えやすくなり、リラックスしやすい体質づくりを行います。
まとめ
ここまで、読んでいただきありがとうございます。
無意識に体に力が入ってしまうのは、あなたが日々「一生懸命頑張っている証拠」でもあります。責任感が強く、周囲に気を配れる方ほど、体は戦闘モードになりやすいものです。
深呼吸・ストレッチ・温めるケアなど、日常でできる小さな習慣で体は少しずつ緩んでいきます。
「自分ではもう力が抜けない」という方は、プロの手を借りて心身のバランスを整えるのも一つの手です。ふっと力が抜ける感覚を、取り戻してみませんか?

