「仕事ができないほどではないけれど、頭が痛くて仕事の効率が下がっている気がする。」
「薬を飲むか、我慢するか迷う。」
こんにちは。Bianca鍼灸サロンです。
今回は『緊張型頭痛』について記事を書きました。
この記事は2回に分けてお届けしています。今回は第2回目です。
- 前回のおさらい
- 東洋医学から見た緊張型頭痛
- 緊張型頭痛への鍼灸アプローチ
- まとめ
Biancaブログでは患者様が気になっていることをブログにしております。
他にもこんなことも知りたいなどあれば、お問い合わせください。
皆様、最後までお付き合いいただければ幸いです。
前回のおさらい
前回は、緊張型頭痛の概要について紹介させていただきました。
緊張型頭痛は、生活の中のストレスや無理が引き金となっていることがほとんどです。
ストレッチやマッサージだけでは筋肉の緊張が取りきれず、何度も頭痛を繰り返してしまいます。
詳しくはこちら(第1回目)をご覧ください↓

東洋医学から見た緊張型頭痛
東洋医学では頭痛が起こった時に頭だけではなく、気血の滞りや五臓六腑のアンバランスとして捉えます。
気滞(きたい)タイプ
気滞とは、気の流れが滞っている状態を指します。
特にストレスや感情の抑圧によって体の中のエネルギーがスムーズに巡らなくなり、頭痛や凝りとして現れます。
痛みについて
項目 | 内容 |
痛みの場所 | こめかみ、頭の側面、後頭部に多い |
痛みの性質 | 締め付けられるような痛み、重だるさ、張り感 |
その他 | 首や肩のこり、ため息が多い、胸やお腹の張り、不安感 |
悪化要因 | ストレス、緊張、怒りの抑圧 |
良くなるタイミング | リラックスしているとき、気分転換したとき |
主な原因
ストレス(怒り・我慢・不満)
長時間の緊張状態(人間関係・仕事)
溜めこみ体質(感情・言葉・行動を抑える)
運動不足(気の流れが停滞)
瘀血(おけつ)タイプ
瘀血とは血の流れが滞ってドロドロになり、循環不良が起きている状態です。
瘀血は「痛みの原因」とも言われ、刺すような痛みと表したり、慢性症状と深く関係しています。
痛みについて
項目 | 内容 |
痛みの場所 | 1箇所に固定される傾向 (側頭部・後頭部など) |
痛みの性質 | ズーンと重たい、チクチクするような鈍痛、刺すような痛み |
時間帯 | 朝より夕方以降に悪化しやすい |
その他 | 顔色がくすむ、唇や舌が紫っぽい、目の下にクマ、冷えやすい、経血が黒っぽい色 |
性格の傾向 | 無理しがち、頑張りすぎる、疲労を自覚しづらい |
主な原因
慢性的な肩こり・筋緊張
長時間の同じ姿勢(デスクワーク・スマホ)
外傷や手術のあと
冷えや血虚(血の不足)による循環の停滞
強いストレスや怒りが長時間持続している状態
加齢やホルモンの変化(生理痛や更年期障害など)
肝陽上亢(かんようじょうこう)タイプ
肝陽上亢とは、「肝の気(エネルギー)」と「肝の陽(熱エネルギー)」が上昇し過ぎている状態のことです。
怒りやストレスによって、気のコントロールが乱れ、熱エネルギーが頭にのぼります。
痛みについて
項目 | 内容 |
痛みの場所 | 頭頂部~側頭部、後頭部にかけて出ることが多い |
痛みの性質 | ズキズキ、ガンガンする強い痛み (拍動性のこともある) |
その他 | のぼせ、目の充血、耳鳴り、めまい、怒りっぽい、口が苦い、顔のほてり |
性格の傾向 | 完璧主義、我慢強い、負けず嫌い、怒りを抑えるタイプ |
悪化要因 | 強いストレス、怒り、精神的な緊張、睡眠不足、アルコール |
主な原因
ストレスの抑制
陰虚(身体を冷ます力の不足)
生活習慣の乱れ(睡眠不足や過労)
辛いもの・アルコールの摂り過ぎ
気血両虚(きけつりょうきょ)タイプ
気血両虚とは、気(エネルギー)と血(栄養)の両方が不足している状態です。
慢性疲労・虚弱体質・回復力の低下が起こります。
痛みについて
項目 | 内容 |
痛みの場所 | 頭頂部や後頭部に多いが、全体的に感じることもある |
痛みの性質 | 鈍い、重い、ぼーっとするような頭痛 |
時間帯 | 夕方以降、または生理中・生理後に出やすい |
その他 | 倦怠感、疲れやすさ、動悸、めまい、息切れ、顔色が悪い、食欲不振、眠気、月経量が少ないなど |
体質の傾向 | 虚弱体質、細身、冷え性、貧血気味、胃腸が弱い、眠りが浅いなど |
主な原因
気(エネルギー)の不足
血(栄養)の不足
緊張型頭痛への鍼灸アプローチ
緊張性頭痛は鍼灸治療によって、症状の緩和や予防が期待できると多くの臨床で報告されています。
筋肉・血流へのアプローチ
鍼灸施術では筋肉の緊張をとり、血行を良くすることが可能です。
頭、首、肩の凝りをほぐし、筋肉で圧迫されていた血管の負担を和らげることができます。
血管の負担が緩和され、血流が良くなると、痛みの原因となる老廃物や発痛物質が流されやすくなります。
自律神経へのアプローチ
鍼灸施術では自律神経へアプローチも可能です。
自律神経とは、交感神経・副交感神経の2つがあります。
この交感神経と副交感神経のバランスが崩れると身体に不調が現れます。
緊張型頭痛では交感神経優位の状態になっていることで、筋肉が固まっています。
交感神経の緊張を和らげ、副交感神経を優位にすることで筋肉の緊張が取れて頭痛を起こしづらい状態にすることが可能です。
ツボへのアプローチ
ツボを通して全身の巡りに働きかけることで、心と身体のバランスを根本から整える力があります。
特に自律神経系に働きかけることで、交感神経と副交感神経のスイッチをうまく切り替えやすくなり、ホルモンバランスが整ってくる方も多くいらっしゃいます。

まとめ
ここまで、読んでいただきありがとうございます。
緊張型頭痛は、生活の中のストレスや無理が引き金となっていることがほとんどです。
ストレッチやマッサージだけでは筋肉の緊張が取りきれず、何度も頭痛を繰り返してしまいます。
鍼灸では筋肉の緊張だけでなく、血流を改善し、自律神経のバランスを整えることができるため、根本からの改善につながります。